帯広コンテンポラリーアート2018
「河口」展 参加作家
潮田 友子 Ushioda Tomoko |
「シロイルカの夢」
制作年 : 2018
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海のない県で生まれた私にとって、川は私にとっていつも山から海へ流れ込む中間の流れであって、
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シロイルカの夢 2018年夏 |
シロイルカの夢 十勝川河口 2018夏
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河口レポート(1) 樋井川下流を河口の百道浜まで歩く
2018年6月10日 福岡市中央区今川2丁目 今川橋(樋井川にかかる)〜百道浜まで 約1.6km
6月中旬、福岡に滞在中の一日、夫が子供だった頃、家から海水パンツを履いて近くの海まで行ったという河口沿いの道を歩いた。川は、満潮時の赤潮が海から上がってきていて、川の深い緑色の水に赤潮が溶け込んで血のような鈍色にうねっていた。波立ってできる白濁色の泡が有機物の帯のようになって、川の中にもう一筋の川ができている。
川を横断する橋が何重にも渡されている。 川沿いの道は所々突然コンクリートでふさがれ行き止まりになっていて、その先に行くには、川の上にかけられた道路を横断しなければならない。川の水だけはそのまま流れて行けても、人は人の作った規則に従って横断する道路に上がり信号待ちをする。然も信号機のある横断歩道は川のどちらか一方にしかなく川沿いの道を歩くには右岸へ、左岸へと遠回りすることを強いられる。 急にたっぷりの波が激しく打ち寄せて盛り上がり砕けているひときわ大きな橋桁のある橋をくぐると突然視界が開け眼前に海が広がっている。国道と高速道路が海に突き出すようにかかっていて、その最後の橋桁が川の河口だった。
海岸線は昔よりはるか遠くに引いて、ナイル川のデルタのような河口はなく、コンクリートで固められ陸封された河口がある。
地殻変動によってアマゾン河に陸封されたシロイルカは水草が絡まるアマゾンの深い緑の水の中で視力を失ってしまったという。海がそこにあっても海を見ない暮らしをしている人々は、何かしかの感覚を失ってしまっているのだろうか。
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河口レポート(2)
『シロイルカの夢』 2018年夏 潮田友子 深い緑の中で生まれた 山を越えようと船を曳いて 今日もまた帰ってきた 遠い河口から海に出る
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潮田 友子Ushioda Tomoko |
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東京都武蔵野市在住 1972 東京藝術大学絵画科油画卒業 |
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【 発表歴 】
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OBIHIRO CONTEMPORARY ART 2015 「マイナスアート展」 「インスタレーション『Kの夢』」 |
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OBIHIRO CONTEMPORARY ART 2013-14 「防風林アートプロジェクト」 「Summer garden and winter giant」
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