帯広コンテンポラリーアート2018
「河口」展 参加作家
塩田 晃 Shiota Akira |
「 Kawajiri 」
制作年 : 2018 素材 : ぎょう虫検査キット,紙セロハン 作品展示場所 : 北海道 日本海側の某所 作品設置予定日 : 12月某日
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NHKの日本人の名前を取り上げるバラエティー番組で,川口(かわぐち)は川の支流が本流に合流するところで,川尻(かわじり)は海に注ぐ河口が由来であると知った。私は,川の最下流は口より尻の方がしっくりすると思いながら,自分の口から肛門までの消化管も川のようだと考えた。 さらに連想したのがぎょう虫検査である。肛門の周囲に産み付けられる卵を粘着シートで採取しようとするものだが,数年前に必須ではなくなっていて,過去のものとなっていた。それにしても,肛門の模様を刷り取るという秘密の行為が,広い世代に渡る共通体験であることは興味深い。 私にとっての河口は,小学校の教員だったときに住んでいた,海に面したまちにある。そしてそのころの私は,ぎょう虫検査の必要性や上手な「ぺったん」の仕方を説き,シートを配り,回収していた。この二つの事柄を結び付けて,懐かしい河口を,懐かしい方法を応用して調査することにした。 |
今回の目的はかつて住んでいたまち川尻(河口)調査。 尻の調査と言えばぎょう虫検。
検査キットを装着する ための 紙メガネ の型紙 をつくる 。
調査の 前日夜に目的地入る。 ホテルの部屋で メガネ をつ くる。
完成した メガネ 。検査キット 付きと簡易型の 2タイプ。
調査日の日の出を過ぎたころ。ぎょう虫検査は朝と決まっている。
調査地は北海道の日本海側のまち。
小学校の側の商店は看板が外され,閉業していた。
そして,小学校のあったところは更地になっていた。
小学校と裏山の間を通っていたJRが廃線になったことは,ニュースで見聞きしていた。
その小さな鉄橋や国道の下を流れる川。雪が積もっていて,水の流れは確認できなかった。
小学校から1kmほど南にある,隣の町との境にある川。橋からは水の流れが見えない。
海岸に降りてみると雪の下に水が流れているのが見えた。
小学校の北側,かつての校区の中央に位置する川。
やはり雪の下には流れがあった。 さっきよりはっきりした流れで,砂浜で蛇行していた。
川尻に近づくと,流れの中央に波を割る強さが見えた。
波の音を聞きながら,波が足元に迫るのを感じながら,川の水と海水と雪が混ざり合う様子を見ていた。
川尻の底を見ると,グレーの砂と黒い砂が流れながら模様をつくっていた。
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塩田 晃 |
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帯広市在住 1990年 北海道教育大学旭川分校 卒業
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【 発表歴 】
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OBIHIRO CONTEMPORARY ART 2016 「ヒト科ヒト属ヒト」 「原の人」
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OBIHIRO CONTEMPORARY ART 2015 「マイナスアート展」 「マイナス収集」 |
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OBIHIRO CONTEMPORARY ART 2013-14 「防風林アートプロジェクト」 「root」
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